第283章

水原刃と川崎正弘は、そもそも種類が違う。片や男臭さ全開。片や絵巻物から抜け出してきたみたいな古風な才子で、洒脱で、すらりとした立ち姿がやけに様になる。

――だが、戦えない。

野呂栞は強い者に惹かれる性分だ。比べた瞬間、川崎正弘に分がないのは明らかだった。まして以前、彼は野呂栞を留置に放り込んだ張本人でもある。

「野呂嬢、海人と太郎」

道端で待っていた丹羽南が、外へ出てきた二人を見つけて駆け寄る。

「無事か? 家まで送る」

丹羽南は顔に出るほど落ち込んでいた。子ども一人守れなかった。その落とし前は、自分の口で島宮奈々未に説明しなければならない。

「南おじさん。自分を責めないで。今...

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